7.25.2011

U.S.- Japan Social Innovation Forum                ー震災後の日本におけるsocial entrepreneurship の展望ー

お久しぶりです。


気づいたら一ヶ月近くもブログを放置していました。


今回は



日本におけるsocial entrepreneurship の展望



についてです。



先週から僕のインターン先のiLEAPという団体で


U.S.- Japan Social Innovation Forum






というプログラムが始まりました。



このプログラムは



日本で活躍しているsocial innovationの専門家や若手ソーシャルリーダー



をシアトルに招き10日間の集中トレーニングを通して


日本のソーシャルイノベーション、ソーシャルアントレプレナーを




Energize,Motivateしようというものです。



以前のブログにも書きましたが、



シアトルではsocial businessやsocial entrepreneurshipが



盛んなので、デリゲイツの方たちにとってもすごい有意義なのではないかと思います。



イベントがある度にiLEAPの素晴らしさと


そこでインターンさせてもらえていることのありがたさを感じます。



ちなみに一昨日この活動がTVでとりあげられました。



シアトルでけっこう大きく報道されました。



gates fudationに行った時の映像がニュースにでました。



http://t.co/Lfccp0i




昨日はデリゲイツによるパネルディスカッションでした。

























各デリゲイトの活動についてプレゼンを聞き、


その後個人的に話す時間があったのですが、




なんたって顔ぶれがすごい。



ETICの山内さん、カタリバ創立者の今村久美さん(以前timeに掲載されてた)、コトラボの岡部さん、



慶応の清水さん(僕と同じ年!)、マードレボニカの吉岡さん、



C'sの鈴木さん、参加者兼通訳のチエさん



チエとは世界青年の船事業の視察のときにご一緒したのですが、


まさかのシアトルでの再開。



そしてなんと慶応大学の井上ご夫妻。


井上教授は今回のフォーラム実現にも携わっていおられたらしい。


しかもIBPの卒業生だとのこと。


まさか先輩だとは思ってもみませんでした。



まだすべての方とお話できたわけではないので、


明日のハッピーアワーの時にでもお話できたらなと思います。



今回のフォーラムは


震災復興がひとつのテーマにもなっていて、


各デリゲイトの方々のプレゼンも既存の事業に加え


それをどう震災復興と結びつけている(いく)のかという視点で行われていました。




久美さんは宮城県女川市で崩れずに残った小学校を利用して


学校/カタリバを行っているとのこと。


震災を経験し、大人になるということをイメージできないでいる子供たちに


希望を取り戻す試み。




子供たちは異なる二つの違った視点を得ることで成長する、と話してくれた久美さん。


直接話をしてみて改めて素敵な人だなと感じました。



人の素敵なところを感じ取る才能があるような気がしました。


あと、高校時代の先輩がカタリバに関わっていることを知りちょっとびっくりしました。





ETICでは培ってきた地域ネットワークを活用して、


地域活性化に向けて動き出せるリーダー的人材派遣と


彼らの右腕としてボランティアではなく長期にわたり支えられる人材育成事業を進めているとのこと。






















東北のメンバーの方が震災の二日後にはもう炊き出し開始に動き出し、


ETICを通して全国から食料を集めて送ったとのこと。



また山内さんが引用されていた、宮城県の漁業関係者の方の言葉が印象的でした。






「3.11より前に戻るつもりはない」








沖に逃がすことで船は救えたが、家族を失ったその方は


もう新たな会社を立ち上げて活動している。






山内さんは神戸の震災の時と同じように、



震災を通して人は成長できると強くおっしゃていました。















今回のパネリストはみなさんそれぞれ違った分野で活躍していますが、


震災復興に関しての共通項は





人に焦点があたっているということ。





social businessとかの観点から言えば、当たり前のことではあるけれど、



人に元気を与え、地域の活力をとりもどす




”エンパワーメント”




のパッションがとても大切だし、




これがあるからみんなが動きだす。









清水さんのお父さん(水産加工を営んでいたが震災ですべて流されてしまったとのこと。)



が立ち上げたかばん会社GANBAARE。



地域の人たちの地震と誇りを取り戻すこと


をめざして活動されています。




















ちなみにこの清水さんは最年少で僕と同じ年。


一つ一つの言葉に感情を込めて話をされる素敵な方でした。
























シアトルにきてから socail entrepreneur の方にお会いする機会が多くあり、


そして今回日本のリーダーの方々とお会いして、


ひとつ思うことは








今回の大震災を経て、人の感情・希望・思いやり・そして誇り


そういったものが再び輝きだしたのかなということ。




いや、そういった光を覆っていたものが吹き飛ばされたのかな。








そうして社会がものじゃなく人を中心にまわりだせば



日本のsocial entrepreneur, social business を取り囲む環境もずっとよくなるはず。






震災後、多くの人が、自分も大変な状況にあるのにそれでも被災地にむけて多くの寄付をした。





多くの若者が震災復興に向けて”新たな”ことをはじめ、動き出した。




そして日本中が、世界中がその思いに呼応した。




もちろん若者だけではない。



日本中の人が”社会のために”という想いを抱いた。




これは結構前の記事だけど、感動したのでリンクしておきます。






そして法律面においても具体的な動きがありました。


今年の六月には税制改正法と改正NPO法が成立しています。


これにより財政基盤の弱かった日本のNPO法人への寄付が促進され


NPO法人の活動が企業などをはじめ社会的なサポートを


うけやすくなることが考えられます。



アメリカでは大企業がsocial団体に寄付をするのは当たり前で


というか五月にマイクロファイナンスのファンドレイジングをして痛感したのは



(少なくともシアトルでは)社会全体として社会のために価値があると思われるところに



お金が流れるしくみ、サポートする体制があるということ。




日本ではもともと寄付の習慣があまり根付いていないという文化的背景が



その促進を阻んでいたこともありますが、



とにかくこれは日本社会において大きな一歩であることは間違いないと思います。



(ちなみにこれらの法改正に尽力されていたのが


今回のデリゲイツの一人、C'sの鈴木歩さんです。)














多くのデリゲイツも言っていたけど、



今回の震災は大きなターニングポイントになっているし、


その意義はこれからもっと増してくるはず。




social の本質である人にスポットライトがあたりはじめた今、



日本のsocial entrepreneurshipも少しずつ変わってくるのではないかと思います。









また、



震災の一週間後にシアトルに移り、



情報は得ながらもリアルな状況から遠ざかっていた自分にとって



今回のフォーラム、デリゲイツとの方々のお話は


どこか自分に突き刺さるものがありました。



明日はデリゲイツの方々も含めたハッピーアワーがあります。


またお話できるのが楽しみです。

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