9.23.2011

マサイ、サファリ、そして自分



ナクルから車に揺られること六時間(ちなみに5人乗りの長距離タクシーみたいのに20人くらい乗っていました。後ろのトランクに約10人と前4人、後5人。)

ついにやってきましたマサイの地。


ジャンプで有名なマサイ族ですが、彼らは本当に跳ぶんでしょうか。








Yes, they do.







彼は今回僕をホストしてくれたEmmanuel。

写真だと分かりにくいですが、これ結構跳んでます。



エマニュエル曰く、マサイの戦士は手を伸ばして届く地点までは

ジャンプで頭がつかないといけないそうな。

しかも垂直跳びみたいに一回一回跳ぶのではなくて

かえるみたいにピョンピョンずっと跳んでいるんだからすごいです。




マサイの戦士は大きくなるにつれて親がジャンプの訓練をするそう。


そして女性は高く跳べる人を夫に選ぶというのは本当らしいです。


現在は多くの人が定住しているため、一夫多妻はあまりみられないようですが、


昔は本当に高く跳べる人が多くの妻をもらったそうです。


これはマサイの民家です。 



 陽気なおばちゃんに中も見せてもらいました。
この赤っぽいのはベットなのですが、なんと牛の骨でできているらしい。
(案外そんなに固くなかったですがw)



この村には9家族が住んでて、みんな伝統衣装を来て歌やジャンプダンスを披露してくれました。







火をおこしてくれました。








サファリにも行きました。


とりあえず、マサイの人たちの視力ハンパないです。


下の写真、どこかに動物がいるのですがわかりますか?







エマニュエルは普通に”あっキリンいるよ。見える?”

みたいなこと言うのですが全く見つけられず、(ちなみに写真はこれでも少しズームしてます。)

結局双眼鏡を使ってやっとこさ見えました。





みなさん見つけられたでしょうか?
これなら少しは簡単かもしれません。



... 




真ん中にキリンが二頭います。


実際大自然の中で動物を見つけるのは難しい時もあります。

これはどうでしょう?









さっきよりはずいぶん簡単ですが、辺り一面大自然の中で見つけるのはなかなか大変です。







ライオンが昼寝をしていました。



  





サファリは本当にライオンキングの世界でした。


ゾウとかシマウマとかありのようにいるし、


なんといってもそのスケールに圧倒されます。







そしてティモンとプンバァが大好きな僕としては

プンバァに出会った時は鳥肌が立ちました。



プンバァです。正式名はイボイノシシ。

なかなか愛くるしい顔をしています。


あとハイエナとかバッファローとかもいました。













あまりにもライオンキングワールドすぎて

サファリ中ずっとハクナマタタの曲が永久リピートしていました。

帰ってきたのでとりあえずライオンキング見ようと思います。








話は変わりますが、ホストのエマニュエルは三年前に私立の学校をたてて、今は校長先生をしています。

僕もそこで一週間程ボランティアというか先生のお手伝いをさせてもらいました。







マサイ族は歴史的に教育から阻害されていた背景があるそうです。


英国植民地時代に、戦士の民族であるマサイ族が反乱するのを恐れ

イギリスはマサイ族の住む地域の開発を進めず、教育もしなかった。

その結果1963年のケニヤ独立後も教育インフラの整備がなかなか進まず、現在でも多くの教育問題を抱えているそうです。


学校の数が足りず、公立学校では一クラス100人を超えるところもあるそう。

しかも多くの生徒が一時間、二時間でこぼこ道を歩いて登校しています。


エマニュエルはだから学校をつくって、地域の子供たちにしっかりとした教育を受けさせてあげたかった、と話してくれました。


彼はサファリでエコツーリズムビジネスをはじめ、その収入であと三つの学校を作るのが夢だそうです。


スポンサーを見つける機会になればと思い、iLEAPのinternational fellowship programを紹介したら、すごい興味をもったようでもう応募するつもりみたいです。

僕もいろいろな形でサポートできたらなと思います。







こうしてケニヤでの生活は終わった訳ですが、

それにしても素敵な生活でした。


まさに日の出とともに始まり、日没とともに眠る暮らし。

それも大自然と動物たちに囲まれながら。

サファリでの日の出


鳥の鳴き声に目を覚まし、南半球の空に満点の星を見ながら眠りにつく。


とても美しい世界でした。


確かに、バケツ半分の水で半ば凍えながら(朝と夜はかなり冷える)のシャワーとか、
常にまとわりついてくるハエとか、

今までインドとかベトナムで経験してきた生活よりもきついというか

水道電気の全くない生活に不便に感じる点ももちろんあったけど、


これでシャワー。



でもそういった時に、

んかやけくそになって、

がむしゃらになって

いつの間にか笑ってる自分がいた。


”なんなんだこの生活は”って。








”でもなんか気持ちいいじゃん”








鏡なんてなかったから自分の顔を見ることもなかったけど、


車のサイドミラーに過ぎていく顔はなんだか生き生きしてたな。


まるで炎天下の中サッカーの練習を終えた子供みたいに。







今思うと、大学に入ってサッカーを真剣にやるのをやめてから


”くそったれ”とやけくそになって


がむしゃらに何かを追いかけることも少なくなったなと思う。




もう一度熱くなってみてもいいかな。







とにかくこの二週間、ナクルとマサイのそれぞれのコミュニティのリーダーの下で活動できたのはとても為になりました。


そして強く思ったのは、ラファエルとエマニュエルだけじゃなくて


自分のコミュニティの発展、活性の為に尽力している人たちは他にもたくさんいるんだろうということ。


コミュニティデベロップメントの手法に関してもいろいろなケースを見てみたい。


あと最近開発コンサルやってる人と話がしてみたいと思ったりします。

誰か知り合いとかいたら紹介していただけたらうれしいです。

それではまた。



基本夕食はこれ。左のはウガリといってトウモロコシからできたケニヤでの主食。






川での洗濯




9.12.2011

ケニヤにて 〜TEARS シアターによるコミュニティエンパワーメント〜




ケニアに来てから早一週間が経ちました。

ライオンキングでおなじみのあの”ハクナ マタタ”の地です笑

あいにく”ハクナマタタ!”とはあまり言わないみたいですが、

”ハクナ(it's all right)” はスワヒリ語でかなり多用されていますw




まずナイロビきて思ったのはすごいインドと似ているなってことです。


町の散らかった感じとか
所狭しと通りに並んだ小さな店とか
車やtuk tuk (三輪のタクシー。たぶんインド起源でアフリカにも多い)の間をかきわけて人々が道を渡る感じとか
道の砂が風にのって口の中に飛び込んでくるとことか
牛が普通に歩いてるとことか(これはインドの方が多いけど)
手でご飯食べるとことか


でもよく考えたらインド人はかなり昔から東アフリカに入っていのだから

そんなに不思議なことじゃないのかもしれないですが。


いうなら”平和なインド”って感じです。
(治安的にナイロビは全然平和ではないですがw)

実際インド人経営者はかなり多いそう。

あと今中国人のアフリカ進出が有名ですが、

特にナイロビでは中国人を多く見ました。

そのせいか僕も歩いていると“hey Chinese! ニーハオ!”とよく声をかけられます。






そんなナイロビを数時間で離れ、

今はナクルという町にきてTEARS Group KenyaというNGOさんにお世話になっています。


ナクルはとても静かで気持ちのいいところです


TEARS ユースのエンパワーメントを目的とした団体ですが、その手段がとても素敵でユニークなのでちょっと紹介したいと思います。

ちなみにTEARSの創立者でお世話して下さっているRaphaelは、iLEAP(僕がシアトルでボランティアしている団体)のInternational FellowとしてSeattleに来たことがあり、

iLEAPを通してRaphaelを紹介してもらいました。



ちなみにこのRaphaelの子供がめちゃめちゃかわいい。笑



そして滞在中世話をしてくれたSocial Enterprise unitのチーフのLeah

いろいろな団体•人とのミーティングをアレンジしてくれたりして

本当にお世話になりました。

ちなみに同い年だけどもう大学卒業して去年からTEARSで働いています。




TEARS

Theater for
Empowerment and
Acceleration of
Researched
Solutions

の略です。

なんでシアター!?と思うかと思いますが、

実際これとても効果的なコミュニティへのアポローチの仕方なのです。


行き先のコミュニティを調査した後、そのコミュニティを訪れて何をするかと言えば、突然歌って、騒いで、踊りだします。

すると“何なんだあいつら!?”と人が集まってきます。ただHIV/AIDS に関する講義をしますって言っても誰も集まらないのは目に見えています。

とにかくBe Crazyだそうです。

まずは観客もまきこんでモビライゼーションをします。

オフィスでモビライゼーションの様子を見せてもらいました。




ちょと暗くてしかも短いですが英語の方のブログに一応動画がアップしてあります。



観衆の注意を集めたら、次はスキットと呼ばれる5−10分程の劇をします。

HIV/AIDSだったりドラッグだったり家族問題だったりコミュニティが抱える様々な問題についての寸劇みたいなものです。

劇を通して

“あっこれ自分たちのコミュニティが向き合わなきゃならない問題じゃん”

と気付かせるのが狙いです。





問題と向き合うきっかけを与え、そして例えば、保健センターでのHIV/AIDS検診やコンドームの着用を奨励するなどその問題解決のためのBehavior Change をサポートします。

コンドーム着用の奨励

HIV/AIDSの検診を促すポスター

シアターのメンバー(一部)



TEARSはマグネットシアターを行っているCommunity Outreach unitの他にもJob Training unit Social Enterprise unitがあります。


ジョブトレーニングユニットにはアート&グラフィクス、ファッション&デザイン、インフォメーションテクノロジーのコースがあり、ユースのエンパワーメントに貢献しています。

多くの若者にとって就職が厳しいケニヤ(ケニヤだけではありませんが)において、

TEARSは雇われ労働者ではなく、自分のビジネスを経営すること(アントレプレナー)を奨励し、そのためのBusiness management Financeのノウハウも教えています。


ただアントレプレナーと言っても日本で言う起業家とは少しニュアンスが異なります。

日本では八百屋さんを起業家とはあまり呼びませんが、

ケニヤでは多くの人が小さな露店を経営し、服や雑貨、野菜などを売っていて、彼らは皆アントレプレナーと呼ばれます。




そして彼らのほとんどがマイクロファイナンスやSACCOSaving And Credit Co-Operatives. 東アフリカではマイクロファイナンスよりも広まっている小規模ローンサービス。英語の方のブログに多少詳しく書いてあるので、興味ある方はこちら) 

を利用しています。



SACCO はグループローンよりも個人ローンがメインで、

だいたいセ−ビングの3−5倍程のローンをかなり低い利子率で受けることができます。(マイクロファイナンスの利子率は普通わりと高い。もちろん現地のヤミ金とかに比べたらずっと低いですが)


リスクの高い低所得者層を顧客としながらマイクロファイナンスのようにグループ責任制ではなく低利子個人ローンを行い、しかも賃倒率は1%程度。

とても興味深いシステムです。


 ただ利用者の大半はユースではなく担保となる貯蓄が多少ある中年層が多いとのこと。

担保のないユースのスタートアップビジネスのサポートなど課題は多いように思いました。


実際にこういったシステムが機能している現場、そして利用者及び運営者と直接話ができたことはとても貴重な経験になりました。

Genesis にて


VIsion Africa SACCOのマネージャーさんと



あとTEARSの掲げているゴールが素敵なので一応書いておきます。

To be a catalyst in the process of change by sharing skills, knowledge, expertise, experience & linkage 




ちなみに余談ですが、

ケニヤの女性の髪の毛はほとんどフェイクヘアーらしいです。

僕のおもちゃみたいなパーマでさえ羨ましがられました。 



Leahの髪の毛。撮影&掲載許可を得ました。”自分たちの髪をもっと誇りに思った方がいいよ”とのこと


あとケニヤの料理はとてもヘルシーで美味しいです。

白いのは主食のウガリ


チャパティとチャイ



今日でTEARSの訪問は終了し、明日からはあのマサイ族のいるエリアに行ってきます。

マサイ族は高くジャンプできると女の子にもてるらしいw


それではまた。









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