4.01.2012

留学を終えて 人生は連続的な変化の連続? - 少女から蝶へ -


あの震災から一週間後。
空は晴れているのに、空気はどんよりと重い。
複雑な気持ちでシアトルに発ったのはそんな変な日でした。

あれから一年。
シアトルでの留学を終え、今はサンフランシスコに来ています。
スタンフォードでのExploring Social Innovation(ESI) program も終え、
アメリカでの生活も残すところあと10時間程となりました。


留学中に何を感じ、どんな人と出会って、どんなことをして、何を想うか。
それらを書き留めていく為に始めたこのブログですが、今回で最後となります。
もともとあまりまめな性格ではないのでブログの更新もかなりずぼらになってしまいましたが
毎回ブログ楽しみにしているよ、と言ってくれる方々をはじめ
読んで頂いたみなさんには本当に感謝しています。


実は留学のまとめ的なものは年明けにさくっと書いているので、
そちらを見て頂けたらと思います。





今回は自分自身を眺める目線が留学を通してどういう風に変化したか
ということについて考えてみました。

二つの詩




今を生きる


僕はもう 歩けるようになった

僕はもう 笑えるようになった

僕はもう 恐れなくなった
僕はもう 泣かなくなった


じゃぁ今、必要なことって

一体なんだろう




今、抱きしめたいものって

一体なんだろう




そんなことにも目をつぶったまま


僕が通った道にはそんなもの

落ちてなかったのに


多くの怒りと

悲しみを越えて


かろうじて生き延びてきた喜びが

おどろいて一斉に羽ばたきだす


彼方に消えていく

その喜びたちを

夕日がそっと照らしだす


僕も頑張らなきゃ



これは僕が二十歳の記念として地元の友人と雑誌を創った時に掲載した詩です。
これは完全に偶然ですが、実は僕雑誌に載せる為に留学前と留学の最後に詩を書いています。
次のは留学修了記念の雑誌に載せたものです。





Commencement

暁が記憶を呼び起こす。
白い少女は夢中で蝶を追いかけていた
草原を抜け、河を渡り、丘をのぼる
山を越えて、荒野を彷徨い、暗い森を抜けると
蝶はどこかへ消えていった

掴むはずのものはそこにはなくて
手足に刻まれたすり傷は鈍い音をたてる
でも少女は泣かなかった

今ならとべるような気がした



まぶたを閉じる。
少女はまた草原にいた
朝の陽光が空のバスケットを照らす
少女はまた花摘みをはじめる

花びらの上に舞落ちた白い蝶は
人の気配を感じてまたひらりひらりと舞い上がる












個人的には二つ目の詩が結構気に入っています。
でも分かり辛すぎてなんなんだこれは。っていう感じだったらすいません。



他者との関係性の中で自分を捉える


こうして二つの詩を眺めていて気付いたことは

1)留学前の詩は迷いを前面に押し出されていて、飛び立っていく「喜び」をただ眺めていたのに対し、二つ目の詩では行き先もわからないながらも走り続け、それが結果に結びつかなくてもそれでも自分が「とべるような気」がしている

2)一つ目では自分を第一人称的に眺めているのに対し、二つ目では他者との関係性の中で自分を捉えている

という二点です。





(1)様々な経験を積む中で自分の決断と飛躍に自信がもてるようになり、だからこそそ着飾る必要なく余裕を持って(2)自分という存在を他者との関係の中で少し離れたところから眺められるようになった、という感じでしょうか。


(2)について、


僕が自分自身を少女に投影した理由は

与えられる側と与える側の循環の中に自分を位置づけられるようになった

からです。


二つ目の詩で
まぶたを空けた少女は、今度は自分があの白い蝶になっているのだけれど
まだ傷ついたままなのだと思います。(ここで成長とかではなく傷という表現を使っているところがちょっと自分らしいなとも思います。)その傷を引きずりながらも、次の少女の道標として「またひらりひらりと舞い上がって」いくわけです。導かれていたはずの少女がいつの間にか次の少女を導く白い蝶になっていく。そういった何か個人の内部だけでは説明できない、スケールの大きな連続的な変化、循環みたいなものの中の一部を自分が成しているような感覚がしたのだと思います。



留学前やシアトルに来た当初は人から与えてもらうばかりで、先輩や友人に素敵な出会いの機会を与えてもらい、多くの刺激的なインプットを得るばかりでした。しかし豊かなインプットを得て、シアトルのソーシャルアントレプレナー界隈でかなり広く、そして一部は深さもあるネットワークを築いていくにつれ、与えてもらうばかりでなく、周りの人の知りたい情報、必要なネットワーク、面白い視点などを提供するかたちでアウトプットしていくようになりました。

これは何か自分の中身がすごい成長したとかそういう事ではなくて、単純に知の質と絶対量、ソーシャルビジネスに関する見識、あるいは自分のもつネットワークのバリューが高まったからだと思います。もちろん今でも多くの人にチャンスをもらい、支えられ、与えられて先導してもらっていますが、そういったなかで中で多くを学び、次第に自分も道標となる白い蝶のように他の誰かを先導しながらニーズをみたしていけるようになってきたと感じています。
ツイッターでしばらく前に「最近人をつなぐ側に立つことが多くなった」とつぶやきましたがまさにそういうことです。

もちろんこのことは地理的断絶、つまりシアトルに来る留学生やアメリカの他の地域からUWに入ってくる新入生が多いために、自分が白い蝶となる機会が多かったということもあるが、それでもシアトルいる日本人の中では一番ソーシャルアントレプレナーのネットワークが広かったように思います。

ソーシャルビジネスに興味のある人をソーシャルアントレプレナー界隈のネットワーキングにつれていったり、
マイクロファイナンスに興味のある学生にインターン先を紹介したり、
実際にソーシャルビジネスをはじめて、でもリソースに困窮している起業家をHUBのコミュニティに迎えたり、
あとは韓国政府からソーシャルアントレプレナーを学ぶ為に派遣された学生達をシアトルのソーシャルアントレプレナー達を繋げる為にツアーコーディネーターをしたり、
最近三月にはグローバルなソーシャルビジネスプラットフォームをつくろうとしているGSBPの方をシアトルのSEネットワークにつなげてあげたりもしました。

つなげる仕事



特にHubSeattleでインターンを始めてからは、ソーシャルアントレプレナー達をつなぐ立場として彼らに出会うことが多くなったので、人と話していて

あっこの人を〇〇につなげたら面白いかも

というようなことを自然と考えるようになりました。
実際に他のHUBのホストがコミュニティの文字通りハブとなり直接的にも間接的にも人々を繋げていく姿、そしてそうして生まれた出会いが新たな価値の創造やイノベーターをクリエイトしていくプロセスを目の当たりにしていく中で、Connecting Peopleのバリューをホストの側の視点から体感することができました。



HUBTokyoの方も本当に楽しみです。今回ESIのプログラムを通してD-school で学んだデザイン思考のインプリメンテーション(デザイン思考は知っているだけではあまり意味がなくて、それをどう実践していくかのところに本質がある!)とか空間のデザイン(D-schoolからでているMake Spaceという本がオススメ)ももっと勉強していきたいし、それらを活かしながらやっていけたらと思います。




ちなみにWealth Dynamicsというビジネスにおいてチームビルディング等の為に使われる心理テストみたいなものがあって、それの資格をもっているメンバーがESI にいたのでやってもらったところ


結果はDealMaker。

まさに外部との関係性やネットワークを通して価値を生みだすのが得意なキャラクターに分類されました。
このWealth Dynamicsはチームビルディングだけじゃなくて他の人との相性や自分自身の強み•弱みを考えていくのにもすごい役に立つ(つまり日本の就活うけがよいw)ので興味があったら是非。(簡易版は無料)




人生は連続的な変化の連続?



あと留学を終えて思うのは

当たり前のことですが留学する前でも後でも自分は変わらず自分であるということです。

以前宮本さんが留学最後のブログで

”留学は精神と時の部屋ではない”

と書いていました。
留学を終えた今本当にそうだなと思います。
留学と聞くと、


何か日常からは断絶された世界があってそこにいる間にパワーアップして帰ってくる


みたいなイメージを持っている人も結構多いですが、
実際には何か断絶的な変化があるわけではなくて
例え環境が変わっても自分は常に連続した過去を背負っているわけです。これはあくまで僕が感じたことですが、


つまり人生は連続的な蓄積である


ということです。

日々の散歩、出会った人、物思いに耽る夜更け。
様々な経験が蓄積されていくことで少しずつ連続的に変化は起こっていくものなんだと思います。もちろん起爆剤的な刺激があって、そこで視界が一気に変わることがあるかもしれませんがそれはそこまでの経験や知識の蓄積がないと、起爆剤なり得るものも起爆剤でなくなってしまいます。


そしてスティーブジョブズの Connecting Dotsじゃないですが、一つ一つの経験は現在から過去へのベクトルでしかそのつながりを確認できず、それぞれが現在から未来の方向へどのように関わって点から線、面へと次元を高めていくのかはわかりません。だからこそ今できることにきちんと向き合うことが大事で、その向き合っている日常がいつの日か連続的な変化として現れるのだと思います。丁度あの少女がいつの間にか白い蝶として舞い上がっていったように。


またこれから日本での生活に戻ることになりますが、これらも変わらず自分のペースで歩を進めていきます。ESIでの学びも含め、これからのことは新しいブログに書いていこうと思うので、是非そちらもよろしくお願いします。

また、いろいろなしがらみがあって留学に行きたいけど...と迷っている人も多いのではないかと思います。もし僕に力になれることがあれば多少なりとも経験をシェアしたりできるかと思うのでTwitterでもFBでも気軽に声かけて下さい。

長いエントリー最後まで読んで頂いてありがとうございます。
一年間ありがとうございました。

(追記)新しいブログはこちらになります。

満開の桜が広がるUWのキャンパス。去年の丁度今頃。


シアトル最後の夜はNam, Joy Roy, Sarahとマイクロソフトのオフィスで飲む
というシアトルならではのお別れ会でした。


最後に二年前にLEAFの東アジア国際会議のクロージングで頂いた言葉を。

You are going back to the ordinary life that has changed a bit.
(普通のありふれた、だけどこれまでとはちょっと違う日常に戻っていくんだ)

VIA-Exploring Social Innovation (ESI) program



シアトル留学も終え、三月半ばからVIA-Exploring Social Innovation (ESI) program (プログラム概要はこちらに参加していました。それも昨日で終了し、アメリカでの生活も残すところあと一日となりました。


ESIプログラムでの学びについてはこのブログではなくて新たなブログに
書こうかと思いますが

コンセプト的には、


SFで活躍するSocial Entrepreneur Acumen Fund などのソーシャル系ファンド、NPO、スタンフォードD-Schoolなどでのワークショップやセミナーを通して、

デザイン思考やセオリーオブチェンジなどのツールを学びながら、

ソーシャルイノベーションの起こるプロセスを論理的に捉え、

自分たちのプロジェクトを進めていく

という感じ。


前半はサンフランシスコ、後半はスタンフォード/シリコンバレー。


ちなみにゲストピーカーや訪問した団体はこんな感じです。

Facebook Causes
Room to Read
“Theory of Change” workshop/Gwen Smith
BAYCAT
“Risk taking in Social Enterpreneuship” /Paula Goldman, Omidiyar Network
“What is Social Silicon Valley?”
Delancey Street
Panel “Leveraging Technologies to Empower Communities in developing countries”/ Acumen Fund, Envaya
Embrace
Catapult Design
Habitat for Humanity
RSF Social Finance
NETsT
Mozilla
Universal Giving
Stanford D-School!!!
Global Catalist partners
Plug and Play
The Center of Philanthoropy and Civil society at Stanford
Rocketship Educational
Khan Academy
 などなど。



そしてスタンフォードであのティナシーリグさんにもお会いすることができ感動でした。
今回のプログラムはソーシャルイノベーションのプロセスによりリアルに迫ることができたという点で自分のシアトル留学の締めくくりにまさにふさわしいものだったように思います。

自分の目線が確実に一年前のそれとは違うものになったことを強く感じました。


スケジュールがかなりタイトでなかなかインプットを咀嚼する時間がなかったので



帰国後ゆっくりと振り返り、まとめていきたいと思います。

(追記)新しいブログはこちら

3.10.2012

シアトル Co-working space巡り


HubSeattle でのリサーチの関係もあって、今日はシアトルのコワーキングスペース巡りをしてきました。


あんまり自分の意見を挟みすぎずに感じたこと、聞いてきたことを素直に文字に起こそうかなと思います。


シアトルは最近新たなコワーキングスペースやインキュベーションセンターがオープンしたりして、もともと盛んなスタータップやアントレプレナーシップの勢いが加速していっている感じです。



まず訪ねたのは何かと話を聞くことが多いOffice Nomad

Capitol hillのメインストリートから少し外れたところにあるのですが、一回気がつかずに素通りしてしまった程目立たない建物。 ひっそりと佇んでいる隠れ家的な印象でした。





コワーキングスペースは入った瞬間に違いがはっきりとわかります。
Hubもそうですが、素敵なコミュニティビルディングが現在進行していて、何か面白いわくわくがぽんぽんアウトプットされていくような空間はそういったカルチャーがにじみ出ていて、

あ、なんかここいい

というのを入った瞬間に感じます。



Office Nomadは今回巡った4つのコワーキングスペースの中で唯一、

少しHUBっぽいと感じた空間でした。



入ると広々としたスペースにデスクはもちろんソファーやアート、植物などが散りばめられていてなんだかゆったりとした感じ。


そして何よりアポも何も取らずに行ったのに、素敵な笑顔で暖かくwelcomeしてくれるスタッフ(と犬)がすごく優しい雰囲気を醸し出していました。




広さは5000sqf (450㎡くらいかな)とわりと広く、メンバーは現在104人。

Fixed deskをもつresidentはそのうち34人であとは日数制のメンバーとのこと。

多くのコワーキングスペースがhourlyのメンバープランを提供する中で

dailyのプランを提供するOffice Nomad


“a few hour co-working does not make any difference, does it?  If need a place for just a few hour work, you can just swing by cafes around. To generate interaction among members, I thought daily plan was better.”
(数時間コワーキングしたってあんまり何もかわんないでしょ?それならその辺のカフェに行ったって仕事はできる。メンバー同士のインターラクションの為には日数制がいいかなって思ったんだ。

と語るのはCo-founderJacobさん。







本当にhospitalityのあふれる素敵なホストで、突然の訪問にも関わらず気さくにいろいろなお話をして下さいました。





それまでエンジニアとして10年程働いていたJacobさんは2007年にco-founderSusanOffice Nomadをオープン。

その後メンバーは徐々に拡大し、何度か拡大して第二店舗をだすという話も浮上したよう。でもJacobさんはそれは自分のやりたいことではないと断りました。話をしていて、この人は本当にこの空間が好きなんだなというのが言わずとも溢れ出ていました。


“Why did I start this co-working space? Well…I don’t know. The idea just came up and I though that’s what I wanna do. ”
(このコワーキングをはじめた理由?んー、なんかふとアイデアが浮かんで、こうゆうことやりたいって思ったんだ。)





Jacobさんはメンバー同士のコラボレーションには常にLight toughでありたいとおっしゃっていました。

“Interaction or collaboration is not something like what is forced to do by others. All what I do is just enjoy talking with members, spread in this community a little bit who they are as a person or what they are passionate about, and then just see what ‘s happening.”
(コラボレーションとかって別に人からやってって言われてやるものじゃない。僕らの仕事はただメンバーと楽しく話して、どんな人なのか。何をやってるのかってのをコミュニティ内でちょこっと広めて、あとはただ何が起こるか見てるだけなんだ。)


“Intention makes a huge difference among members even though collaboration is not something intended. People coming here know that here are variety of people and interactions with other members, including just a small talk at the kitchen, give them some inspiration for creation. They definitely expect it.”  
(コラボレーションは意図的におきるものでもないけど、でもメンバーが何を考えてここに来るかっていうのは大事なこと。みんなここに来る人の多様なメンバーとのちょっとした会話が引き起こすcreationの可能性を知ってるし、それを期待して来るんだ。)




メンバーのスクリーニングは特にやっていないようだ。
新規のメンバーは正式にメンバーになる前に一日お試しができる。

We haven’t really chosen our member from the beginning. It’s not me but them who chose this space as their most confortable work place. People who like the atmosphere here gather around this space and they are what we want. What is important as a host is being as authentic as possible.
(スクリーニングみたいなことは始めからしてないよ。ここを選ぶのは僕じゃなくて彼らだしね。Office Nomadの雰囲気が好きな人たちが集まってきて、僕らもこの雰囲気を共有できる人を求めてる。ホストとして大事なことは素直であり続けることかな。)

どうやらJacobさん最初の二年間はコワーキングスペースとして自分たちがどんなバリューを提供しているのか自分でも答えは出せていなかったようだ。「じゃあ今はどうですか?」と聞くと「そうだねー」と微笑みながら、どこかこの四年間を懐かしむようなトーンで言葉を紡いでくれた。


I still don’t know…but what we are doing is enrich their lifestyle. Offer space filled with surprise that each of members generates and they can get inspiration by exchanging various kind of stand points, rather than staying at home all day and stuck to his/her own idea. It’s what we call a collaborative life style.
(正直今でもまだわかんない。でも僕たちがやってることって人々のライフサイクルを豊かにすることなんだ。家にいて自分のアイデアに固執しっぱなしになるんじゃなくて、わくわくの溢れたオフィスで多様な意見にもまれながらインスピレーションを得る毎日。Collaborative Lifestyleって言うのかな。)

キッチンにはホワイトボードがあってみんな勝手に今週の目標を書く。”みんなが何やってるか知れて楽しいし、会話のきっかけにもなる” とメンバーのVeena。



僕が東京で Co-working spaceの設立に関わっていることを話すと是非東京に行った時に連れてってほしい、co-workingの魅力が多くの人に伝わっているのは嬉しいと、そしてoverthinkingしない方がいいよ。Just talk a lot with people who are gathering around the space and feel what they feel. とアドバイスもいただきました。


そしてスペース内を回っている途中にキッチンでインド人のVeenaと出会い(さすが。みんなとてもフランクでソーシャル。)、office Nomadを利用する理由やコワーキングの魅力について話してもらいました。





彼女はインド料理を世界の人がもっと簡単に作れるように、onlineでキットを提供するサービスを行っています。詳しくはこちら。http://veenasmarket.com/


以前はずっと家で仕事をしていましたが、二年程前から月10日間くらいはoffice Nomadで仕事をするようになったそうです。

“I set on different seats every time I come here. People here have totally different backgrounds and are very interesting Talking with them just inspire me and help me to be more creative. ”
(毎回違う席で仕事をすると、いろんなバックグラウンドを持った人と話ができて、それがすっごい刺激的なの。Creativeな環境で仕事ができていると思う。)

ある日隣に座っていた人がフィルムを撮る人で、Veenaさんのビジネスを気に入ってくれて、プロモーションビデオの撮影を一緒に行ったりもしたそう。

また自分一人で働いているVeenaさんにとってメンバー同士でご飯を食べにいったり、お酒を飲みにいったりといった他の人との関わりが常に生活のなかでもてることは、すごい大切で嬉しい事だ、とおっしゃっていました。やはりコミュニティなんですよね。

なによりも話をしてくれたVeenaさんの顔が輝いていて、なんだかこっちまで元気をもらいました。




さて、まだ一つ目だというのに随分長くなってしまったので

残りは簡単に紹介だけ。

Matrix Create Space





ここはかなりモノづくりにフォーカスしたco-working space.
工具がたくさん散らばっていて、なんだかラボって感じでした。

誰かがプロジェクトを持ってきて何かをつくっていると、他の人が面白そうって集まってきて、あーだこーだいいながらお互いのストロングポイントを活かして協力してやる、っていうのがいつものパターンらしい。自分のやってることをそていのけで、他人のプロジェクトにジャンプインしちゃう人もわりと多いらしいです。噂の3Dプリンターとかに取り組んだりもしているとのこと。


なぜかレゴが散乱している一角が。



Agnes Underground

ここは最近できたばっかりの新しいCo-working spaceでビルの地下ワンフロアー丸々利用した面積的にはかなり広いスペースです。リラックスした雰囲気で机をシェアしていくスペースと、わりと区画のはっきりした会社のオッフィススペース的な空間と両方あり、メンバーの層はだいぶ広めな雰囲気を受けました。

StartPad
ここは主にソフトウェア開発のためのco-working space

みんな基本的におしゃべりしながらずっとカタカタパソコンならしていました。でもあんまりメンバー同士のインタラクションみたいなものはなさそうで、メンバーの何人かになんでこのco-working space を使っているのかと聞いたところほとんどの人はリースに比べて安いし、自分のスタートアップが長期的にどうなるかわからないから、というような理由でした。
集まってくる、メンバーの動機もコワーキングスペースによって全然違いますね。



 

あとまぁ小さなところを他にもいくつか回りましたが、メインはこの四つでした。


まとめ

コワーキングスペースと一言で言っても、目指す空間の色は全然違うし、集まってくる人の感じ、空間全体がもつ雰囲気も180度変わってきます。静かに集中したい人が集まって、あまり物音立てられないようなとこもあれば、メンバー同士が真剣にでもラフな感じであーでもないこーでもないってがやがや言い合ってるスペースもありました。


コワーキングのもつバリューも何かこれってものがあるんじゃなくて、
Stardpadみたいにオフィスをシェアすると安いし便利だからっていうところもあれば、
Matrix Create Space みたいに実際にモノづくりをできる、プロトをどんどん作っていける、それを一緒にできる仲間のいる環境が持ち味のコワーキングスペースもある。
そしてOffice Nomadsのように様々なバックグラウンドを持つ人達に囲まれながら仕事をできることが魅力で人々が集まってくるスペースもある。


最初にも書きましたが、今回訪ねた四つのコワーキングスペースのうちHUBと空気感が多少似ているのはやはりOffice Nomadsでした。
ただsocial businessにフォーカスしているHUBと比べると、集まってくる人々は他のメンバーとのコラボレーション(一応こう呼ぶ事にしますが。)に魅力は感じていますが、その空間から放出するアウトプットの社会的意義に関してはあまり関心がないような気がしました。


そう考えると僕が出会ってきたHUBの人達は

なんかこうもうちょっとこうしたらこの世界少しよくなるんじゃないの

みたいな活動をしている人が多く、そしてそういったチェンジメーカー達の集う空間でナレッジやアイデアをシェアすることの価値とそれが生み出す社会インパクトの可能性を信じている人達。そういったイノベーター達のnexus point(ネクサスポイント)というところにHUBのバリューがある気がしました。


結局人なんだと思います。そこにどんな人がいるかってことが人がコミュニティに集まる最大のモチベーションだし、わくわくするところ。


あと


空間のデザインってすごく奥が深そう


って思いました。




僕がシアトルに留学しているこの一年の間に随分と東京にもコワーキングスペースができたみたいです。

帰国後に是非まわってみたいと思います。お気に入りのスペースあったら教えて下さい。



シアトルも残すところあと一週間程となりました。

サンフランシスコで二週間程Exploring Social Innovationというプログラムに参加して、

その後日本に帰ります。(その前にもしかしたらHUBのグローバルカンファレンスにでれるかもしれませんがまだちょっと未定)

それでは。

1.19.2012

Seattle StartupWeekend



 前回のエントリーではHubCo-working spaceHubSeattleでのインターンのことを書きましたが、


そのHubSeattleで先週末にStartup Weekend が開催されました。





(ちなみにStatupweekendheadquarterはシアトルにあります。)


金曜日の夜に参加者が集まり、個人ピッチ(一分)を行い、面白いアイデア上位10数個を投票で決めます。

その場でチームをつくり、活動開始。

(ちなみにピッチの後はディナーの時間でしたがみんなピザを片手に
チームビルディングに必死でした。いいプロダクトを創る為にはチームづくりはもの凄く大切ですね。)










そして日曜日の夕方にFinal presentationsが行われ、優勝が決まります。
投資家も集まり有望と思ったビジネスに投資します。


実質土日二日間(54時間)

Team building, Brainstorming, idea validation, features prioritization, market research/survey, customer validation, MVP refining,
 そしてwebsite はじめfacebook page, 実際のproduct (mobile appなど) まで創り上げるというかなりスピーディーでエキサイティングなイベントです。



チケットが別々になっているので、デザイナー、デベロッパー、ビジネス/マーケティングの三セクターがバランスよく参加していて、

ビジネスのアイデアだけではなく、それを実際にどういうカタチでローンチするかまでこだわります。




さて、ピッチですが一分というのはなかなか手強いですよね。









中にはアイデアが伝わりきらないままタイムアウトになってしまう人もいました。
Startup weekendの人が開始前にtipsをくれたので、参考までに。

時間配分は


5-10s who are you? 
10-30s what’s the problem?
30-50s what’s your solution?
50-60s who do you need?


が目安だそうです。
もちろんこれの通りじゃなくてもいいのですが、
この流れだとやりやすいのは確かです。
僕自身の意見として自分のことは最後でもいいかなと思います。

オーディエンスは大量のピッチを次々と聞いていくことになるので、

終わってみて頭に残っているのは一握りです。

しかも名前を覚えていなかったりします。

なので「これ面白い」と思ったピッチの最後に名前を言ってくれれば

印象に残りやすいのは間違いないと思います。





あと効率的にビジネスを組み立てていく為のツール“To Do/Doing/Done”も紹介してくれました。


やり方は簡単。

ボードをToDo/Doing/Doneに三等分し、タスクをポストイットに書いてはっていくだけ。進行度に応じてポストイットを動かしていきます。






これ進行度とやるべきタスクが一目で分かるので、かなり仕事効率があがります。
特にチームワーキングにおいてはかなりオススメです。




あと参加者は八割以上が社会人の方で、ばりばりのプログラマーやデザイナーがうじゃうじゃしてる感じです。学生はほとんどいませんでした。週末とはいえ、社会人がこんなに(120人くらい)集まるのはさすがシアトル(アメリカ?)だなーと思いました。





ちなみにある人と、面白い人だなーと思いながら話してたら、なんとアマゾンの初期メンバーでした。

これは衝撃。

ちなみにこのPhillipのピッチは二位に選ばれ(ちなみに僕は直前に彼のピッチ練習の相手をしていたのでとても嬉しかったです。)、

ファイナルプレゼンまで行われました。

人にサプライズでちょっとしたギフトをあげれちゃうサービスで、
ペイフォワード的な波及効果が期待でき、かつお店も売り上げが増えてみんなハッピーという
とても素敵なサービスです。コンセプトはGifteeに似てますが、お店にいくまでギフトがなんだかわからない点で、サプライズというバリューが特徴かなと思います。


今ローンチに向けて動いているかもしれないので詳細はふせておきますが、
(というかweekendで聞いたアイデア等これから実際にビジネスになる可能性もあるんですが、勝手に紹介したらやっぱりいけないでしょうか?素朴な疑問。)

 個人的にはすごく好きでした。



  Philip と。素敵な人でした



 Statupweekend は日本でもこれまでに何度か行われているのですが、
どんなかんじだったのでしょうか?
なんか日本でやっても学生主体になりそうな気が勝手にしていますが
でもまた是非とも日本でやろうとstartupweekendの方とコンタクトをとっているところです。



とにかく刺激的で楽しい週末でした。

これからはいくつかHubがホストするネットワーキングが続くので楽しみです。


ちなみにシアトルは雪が降っています。今週は結構降るとのこと。

現在松葉杖の僕には道が滑ってなかなか大変です。


ツイート